石炭ガス化設備・ガス精製設備建設サイト(北側)から |
建設記録
建設現場全景(貯炭サイロから) |
複合発電設備建設サイト(南側)から |
複合発電設備建設サイト(東側)から |
石炭ガス化設備建設サイト(東側)から |
煙突から |
機械・電気設備工事着工!大物設備も続々 |
平成26年5月、初の大物設備となる排熱回収ボイラー(HRSG)が搬入され、機械・電気設備工事が本格着工 今後主要設備が続々と搬入され、建設工事は最盛期を迎えます。
今回は外岡技術部長に現場を案内してもらいました
まずはメインの石炭ガス化設備から。建物の骨組みを作っているところでしょうか?
外岡部長(以下、外) 「石炭ガス化設備は鉄骨構造物で屋根や壁がないのが特徴です。まるで化学プラントのようでしょう。鉄骨を組み立てながら、並行して設備を据え付ける『同期化工法』を採用しており、安全性向上と工期短縮を図っています。現在の高さは完成時の約半分となる40m程度。年内に組み上がる予定です。」
外「これは鉄骨建方の様子です。高さ約20m、重さ30tもの鉄骨をクレーンで吊上げ、建設していきます」
外「石炭フィードホッパ(※)を据え付ける様子です。クレーン2機を使い、鉄骨内へ吊り込みます」
※加圧した微粉炭を一時貯留し、ガス化炉へ搬送する設備
続いてガス化設備南側へ。この巨大な設備はなんですか?
外「これは排熱回収ボイラー(HRSG)と言って、蒸気を発生させる設備です。ガスタービンの排ガスや石炭ガス化ガスから熱回収し、蒸気を発生させ、蒸気タービンへ送ります。内部は水を通すチューブ群が幾層にも設置されています。」
外「HRSGは一番最初に搬入された大物設備です。これは5月の搬入時の様子です。高さ30m弱、総重量1千tを超える設備を2分割し、製作地であるフィリピンから12日かけて海上輸送されてきました。」
フィリピンから海上輸送ですか!なんだか大変そう・・・
外「大崎上島は離島であり、本土と陸路でつながっていないため、設備だけでなく、資機材や作業員もほぼ全て海上輸送されます。これはHRSGが発電所桟橋へ着岸した様子です。」
外「大物設備の搬入にあたっては建設工程や海上輸送計画の段階から、潮汐時刻を勘案した計画を立てており、ジャストインが必須(※)です。天候ばかりは神頼みですが、あらゆる状況を想定して、関係箇所と綿密な計画・調整を行いながら臨んでいます。」
※輸送・搬入当日に、機器据付まで完了させる方法。仮置き場所が不要なため、狭い建設現場に求められるやり方。
外「発電所には本桟橋と仮桟橋があります。本桟橋はHRSGのような大物設備等の搬入、仮桟橋は資機材などの搬入に使用しています。フェリーは島民の皆さまの生活の足ですから、ご迷惑をお掛けしないよう可能な限り工事車両などは専用フェリーで直接発電所へ運んでいます。その分、車両からの排ガスも抑制できるため、周辺環境の保全にもつながっています。」
桟橋に荷揚げされた重量物はどうやって建設サイトへ運ぶんですか?
外「ドーリーという多軸式特殊車両を使います。真横にも動くんですよ。HRSGもドーリーを使い、設備幅ぎりぎりの経路を慎重に搬送しました。」
建設サイトの南側にやってきました。これは何の建物ですか?
外「ガスタービンや蒸気タービン、発電機などを設置するタービン建屋です。3階屋上に天井がない、半屋外式が特徴で、建設コスト削減メリットがあります。現在は建屋工事の終盤を迎えており、9月から11月にかけて、ガスタービン等が3階屋上に設置される予定です。」
タービン建屋屋上にはガントリ(門型)クレーンが設置されています。どうやらクレーン下に発電設備が設置されるようですが・・・ さて、どうやって設置するのでしょうか?? その模様は次回お伝えします