プロジェクト概要

Project Overview

第1段階 酸素吹IGCC実証

酸素吹IGCCの概要

石炭をガス化炉でガス化し、一酸化炭素(CO)と水素(H2)を主成分とする石炭ガス化ガスを生成します。その後、石炭ガス化ガスは熱回収ボイラで熱回収され、ガス精製設備で不純物と硫黄分を除去された後、ガスタービン燃焼器で燃焼することでガスタービンを駆動します。ガスタービンの燃焼排ガスは排熱回収ボイラで熱回収した後、煙突から放出されます。

一方、熱回収ボイラ及び排熱回収ボイラでの熱回収により発生した蒸気で、蒸気タービンを駆動します。このガスタービンと蒸気タービンとの複合発電を行うことで、従来の微粉炭火力発電を上回る発電効率が達成可能となります。

実証試験設備/概略フロー

実証試験設備/概略フロー図

実証試験スケジュール

実証試験スケジュール

実証試験実績と成果

高効率で高い「調整力」
ベースロード電源・調整電源の両方で活躍できる酸素吹IGCC

大崎クールジェンプロジェクト第1段階は全ての目標を達成し、
プロジェクトを完遂しました。

<主な成果>
  • 商用機で送電端効率約46%達成の見通しが得られ、現状の最高効率の微粉炭火力(USC)と比べてCO2排出量約15%削減が期待できます。
  • 従来の微粉炭火力を大幅に上回る負荷変化率を達成し、導入拡大が進む再生可能エネルギーの急な出力変動にも対応する高い「調整力」を実証しました。
  • 亜瀝青炭から瀝青炭まで炭種の異なる石炭での安定したプラント運用を確認しました。
スケールアップ
項目 実績 成果
プラント性能
  • 送電端効率 40.8%(HHV)
    同出力規模では世界最高水準の効率。
※LHV発電端では51.9%
商用機では送電端効率約46%(HHV)を達成する見通しを得た。
※LHV発電端では約57%
環境性能
  • SOx:<8ppm
  • NOx:<5ppm
  • ばいじん:<3mg/m3N
    (いずれもO2:16%換算)
日本で最も厳しい排ガス規制に対する目標をクリアしており、LNG火力と同等の環境性能を達成。
設備信頼性
  • 長時間耐久性試験:5,119時間
  • 連続運転時間  :2,168時間
商用機に求められる年利用率70%以上の見通しを得た。
多炭種適合性
  • 4炭種を試験し良好な適用性を確認。
  • 運転を継続しながら炭種切替を行い安定したプラント状態を確認
幅広い炭種適合性を実証し、エネルギーセキュリティおよび経済面でのメリットが期待できる。
プラント制御性・運用性
  • 負荷変化率:最大16%/min
  • 最低負荷 :送電端出力0MW
  • LNGコンバインドサイクルと同等の負荷変化率を達成し、出力の不安定な再生可能エネルギーと調和できる高い「調整力」を確認。
  • 自然災害等の緊急的な需給要請にも対応できる待機電源としての役割を担えることを確認。
経済性
  • 商用機レベルで発電原価が微粉炭火力と同等となる見通しを得た。
従来の微粉炭火力と同等の経済性を実証し、酸素吹IGCC普及に向けた見通しを得た。
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